連載エッセイVol.124を掲載しました

人工知能と社会を考える

江間有沙

「人工知能」がブームになってしばらくたつ。

生活や仕事がより便利に効率的になるというような明るいイメージから、仕事を奪う・暴走するというような怖いイメージまで様々付きまとう人工知能だが、その最先端では何が今、議論されているのか。

2017年10月10日と11日に「人工知能と社会」をテーマにした国際シンポジウムが東京で開催された。国内外から招待された46名のスピーカーが2日間にわたって人工知能の最新技術、ビジネスの将来像、そして社会に与えるインパクトについて熱く議論を交わした。

扱われたテーマはビジネス最前線だけではない。例えば「クリエイティブAI」というテーマでは音楽や絵画など創造的な作業を行う人工知能が紹介された。そのほかベンチャーなどのスタートアップに求められる倫理的な価値観、さらに次世代技術として自律性を獲得した人工知能が出現したら、意識や心を私たちはどのように再定義しなければならなくなるだろうかなど、哲学・倫理的な論点も浮かび上がった。

シンポジウム最後のパネルディスカッションで掲げられたキーワードはBeneficial AIだった。恩恵をもたらすような人工知能をいかに作っていくか。そのために、私たちが今からできることは何か。価値が多様化している現在、人工知能開発に関する「競争」だけではなく「協調」のプラットフォームを作っていくことが重要になる、との提案でシンポジウムは締めくくられた。

ちなみに、本シンポジウムは東京大学の次世代知能科学研究センターが主催で、科学技術インタープリター養成部門や人工知能学会、理化学研究所などのアカデミアが共催に入っている。そのほか海外の機関としてはケンブリッジ大学のセンターやIEEEのほか、The AI InitiativeなどのNPOや汎用人工知能の実現を目指しているGood AIなども共催として関わっている。また、Microsoftやホンダなどの企業も協賛している。人工知能に関する世界的なコミュニティを作るためには、産学官民が連携して対話を進めていくことが重要だ。そんなときに様々な人や機関をつなぐ「インタープリター」が必要になることは間違いない。

HPはhttp://www.aiandsociety.org/

2017年11月24日号

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