「キャリアパスと研究倫理 自分事として語り合おう」参加学生による開催報告
去る9月2日、東京大学研究倫理ウィーク特別企画の一環として、「キャリアパスと研究倫理 自分事として語り合おう」を開催しました。平成27年度「東京大学研究倫理ウィーク研究倫理教材コンテスト」で最優秀賞に輝いた応用倫理学演習チームの学生さんによる開催報告を掲載します。
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当日は、京都大学iPS細胞研究所 上廣倫理研究部門 特定准教授の八代嘉美氏、日本経済新聞社記者の岩井淳哉氏をゲストに交え、ワークショップが開催されました。STAP細胞問題を導入とし、この問題は本当に他人事だと言えるのか、自らの研究分野ではどうなのかという、まさに自分のことを「自分事として語り合う」ワークショップです。文系理系様々な分野から、また学部生から大学院生さらには教授の先生まで幅広い方々が参加されました。
このワークショップを通じて強く感じたことは、自らの専門という狭い視野にとらわれず、様々な分野と触れ合うことの重要性です。これは特に近年では当然だと考えられているかと思いますが、なかなか実践が難しいことです。今回のワークショップでは多様な分野・経歴の方々とお話しましたが、そうすることにより、研究態度や方法などに関する常識が分野によって大きく異なることを改めて実感させられました。どれが正しいということはないと思いますが、重要なことは、自らの分野の常識が絶対ではないことを認識することです。自らの専門だけにとらわれていては、そのようなことを認識することは決してできません。より善い研究を進めるためには、常に異分野との交流を図り、自己を相対化することが大切なのではないでしょうか。今回のワークショップは、そのことを再認識し実践する貴重な機会となりました。
東京大学 教養学部 学際科学科 科学技術論コース 4年
平成27年度 東京大学研究倫理ウィーク 研究倫理教材コンテスト 応用倫理学演習チーム
加々美 俊